2017年5月15日月曜日

平成23年当時の茅ヶ崎市の状況 その3

自分の地区の小学校に支援級がないことはわかりましたが、自分が職員として働いている市のように「希望する児童生徒がいることが判明した以上、必死に環境整備を進めて支援級を開設する」ことがそれほど特別なこととは思えないので、すぐに実現するかどうかは別として市に何らかのアクションを起こすこと(電話や窓口で大声で騒ぐのではなく、あくまで紳士的な方法で)が必要と感じました。

具体的には市教育委員会への請願、市議会への陳情を同時並行で進めました。

市教育委員会への請願は茅ヶ崎市教育委員会会議規則第19条に規定があり、具体的な書式例などの例示はありませんでしたが議会への陳情に順ずるものと想定して書類を準備しました。

市議会への陳情は茅ヶ崎市議会会議規則第145条に規定がある他、市議会のウェブページにも手続き上の注意事項が記載されていたので参考にしました。文書の内容は教育委員会に提出したものとほぼ同一の内容でした。

以下、市議会への陳情の文章を引用します。
市立小中学校に特別支援学級を設置することに関する陳情
1 陳情の要旨
 現在、茅ヶ崎市においては、市内の特定の数校のみに特別支援学級を常設するいわゆる拠点校方式が採用されています。たまたま学齢期の障害児が特別支援学級の設置されている学区に住んでいれば問題ありませんが、そうでない場合には遠くの学校に通わなければならず、送迎に保護者の負担がかかり、近所の友達や兄弟と別々の学校に通わなければならないという問題もあります。
 以上の問題から、拠点校方式をやめ、全ての市立小中学校において、学区内に通学を希望する障害児がいる場合には必ず特別支援学級を設置して対応するよう茅ヶ崎市教育委員会に働きかけていただきたく、陳情いたします。
2 陳情の理由
 障害者基本法第8条には「障害者が、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう配慮されなければならない」とあり、同法第14条においては「地方公共団体は障害者の教育に関する調査及び研究並びに学校施設の整備を促進しなければならない」、「地方公共団体は障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない」とされています。障害者基本法の趣旨からも、拠点校方式は望ましい方式とはいえません。
 なお、神奈川県内の他自治体の状況を見ても、神奈川県が公表している資料(平成22年度公立小・中学校及び県立高等学校(全日制・定時制)の児童・生徒数及び学級数一覧)を見る限り、茅ヶ崎市と同様の拠点校方式を採用しているのは茅ヶ崎市のほかには鎌倉市、藤沢市、寒川町だけで、それ以外の市町村、別の言い方をすれば神奈川県内で人口比9割以上の市町村では障害児が地域の小中学校に通うことができていることを申し添えます。
教育委員会への請願は毎月開催されている定例会で議題となり審議されます。審議は原則公開のため議論を見守りたいと思い仕事を休んで傍聴に行きました。

茅ヶ崎市には「特別支援学級増設検討委員会」という庁内検討組織があり、教育委員会の結論としては「特別支援学級増設検討委員会」の議論を見守るということで継続審議になりました。請願の内容はむげに否定もできず、かといって可決することもできない(したくない)というところで、おおかた予想通りでした。なお、この後正式に不採択になったような記憶がありますが、教育委員会では埒が明かないと思い議会への陳情の対応にシフトしたため最終的な結果は覚えていません。

質疑としては、現状で小中学校それぞれ何校に特別支援学級が設置されているか、今後の増設の予定はどうか、何人利用しているか、全校に特別支援学級を設置した場合のメリットは何か、現状の拠点校方式のメリットは何か、利用者がどの学校に行くのかをどのように決めるのかといった質問が出て、それぞれ学校教育指導課長が答えていました。

なお、「特別支援学級増設検討委員会」は校長先生と教育委員会事務局で構成しているそうですが、茅ヶ崎市役所のウェブサイトで検索してもそういう会議があるということが間接的にわかるだけで会議の設立根拠や構成員や開催の頻度、会議資料や会議録等が一切不明な組織です。

このときにも会議録の開示請求をしたような記録が手元に残っており、一度は審議検討事項で非公開とされながら審査請求書を送ったところ正式な審査会への諮問手続きを経ずに開示されたようなことがあったようです。資料がすぐに出て来ず詳細は不明です。

そもそも、特別支援学級増設検討委員会には本来は利用者の立場から支援級の親の代表や、茅ヶ崎市在住で養護学校通学の親の代表、学齢前の障害児が通うつつじ学園利用者の親の代表などがそういう会議に入っているべきかと思いますが、茅ヶ崎市行政にはそのような発想はないようでした。

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